【裸々押し】三重県伊賀市陽夫多神社の祭り存続の危機で私がとった行動
私が小学生の頃の話です。
三重県伊賀市馬場にある陽夫多神社(やぶたじんじゃ)で毎年2月に行われている裸々押し(だだおし)という白の褌1つで輪になり「わっしょいわっしょい」と片足飛びで回り家内安全、五穀豊穣を祈願する祭りに参加していました。
大好きな祭りが寂れゆくのを見て・・・
私が参加した当時はどんどん参加者が減っていき地元の数名の大人のみが参加している状況でした。
若い人達は不参加の方が多くなり、神主さんや地域の高齢者の方々も「もうこの祭りも長くないかもしれないね」と言っていました。
小さい頃からこの祭りが好きだった私はその言葉がとても悲しくて「この祭りがあるうちに自分も参加したい」と思うようになりました。
お父さんに「今年は自分も参加したい。褌を自分の分も準備して欲しい」とお願いして、神主さんに話を通してもらいました。
裸々押しが行われている陽夫多神社にある剣道の道場で自分が剣道をしていたので、神主さんとも仲が良かったので参加を許してもらうことができました。
その当日までにお婆ちゃんに自分用の褌を作ってもらい、それを見て胸を高鳴らせていたのを今でもしっかり覚えています。
真冬に外で褌1つになり、寒い素ぶり1つ見せず伝統を繋いでいく大人たちの姿が僕は大好きでした。
だから、祭りの当日に「今年はお前も参加するんか。ありがとうな。おっちゃん嬉しいわ」と参加者の方に頭を撫でられたのが凄く嬉しかったです。
つながった伝統と、地域とのきずな
初めての子供の参加という事で、出番の時間を待つまでの間に暖かい甘酒を近所のおばちゃんにいただき、体を温めて緊張と戦っていました。
神主さんの合図と同時に待機していた詰所から走って外に出ていく大人たちの一番後ろに着いていき、神主さんに拝んでもらい念願の裸々押しが始まりました。
肩を組み輪になるのですが私は小学生で身長も低かったので大人たちの腰を持ち、せっかく参加させていただいたのだから誰よりも大きい声で参加しようと決めていたので「わっしょいわっしょい」と精一杯声を出し一緒に周っていました。
冬の寒さよりも祭りの熱気の方が強く、気付けば汗だくになり、30分が5分に感じ気付いたときには終わっていました。
終わって服を着替えて詰所で休んでいると新聞記者の方が「さっきはお疲れ様。よかったら君の事を記事にしたい。インタビューさせて欲しい。」と言ってくれたので、祭りの参加への経緯やこの祭りをずっと続けて欲しい事などを記者の方に伝えました。
その年から3年ほど参加を続けて中学生になり、思春期独特の恥ずかしさから参加するのを辞めて今じゃ地元を離れ県内の違う街に住むようになりました。
ふと、裸々押しの事が気になりインターネットで調べると、大勢の子供が参加している写真が出てきて今もしっかり伝統が繋がっているのが嬉しかったです。
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