骨ホルモン(オステオカルシン)とは?血糖値が下がる認知機能が上がる簡単な運動
骨は、ヒトの身体を支えたり、臓器を護ったり、血液を産生したりする組織です。
骨がスカスカになる骨粗鬆症になり、背骨や大腿骨を骨折すると、寝たきりになることもあります。
最近、骨には、他にも大事な働きがあることが、わかってきました。
骨は多くの臓器とつながっている
骨は、骨膜・骨質・骨髄からできています。骨質は、カルシウムやリンを多く含む硬い皮質骨と、多孔性の海綿骨に分けられます。海綿骨は骨髄腔を形成し、骨髄腔は骨細胞や髄液で満たされています。骨髄で血液が産生されます。
骨の中は、骨細胞や骨髄液、血管が多く詰まっています。それで、生きている骨は、白ではなく、黄色または茶色を帯びています。
骨には血管が沢山あり、膵臓(すいぞう)や脳、心臓、肝臓、腎臓、腸とつながっています。骨はいろいろな臓器と大きく関わっているのです。
骨ホルモン・オステオカルシン
骨が膵臓と大きく関わっていることがわかったのは、2007年のことです。
ニューヨークのコーネリア大学のジェラルド・カーセンティ博士は、骨の中のタンパク質オステオカルシンの研究をしていました。オステオカルシンを糖尿病のマウスに注射したところ、糖尿病が治ってしまったのです。
カーセンティ博士の研究を基に、10年間、多くの学者が研究を続け、骨ホルモン・オステオカルシンが膵臓をはじめとする多くの臓器を活性化させることがわかりました。
[骨ホルモンの働き]
- 血糖値を下げる
骨ホルモン・オステオカルシンは、膵臓を活性化させて、インスリン(インシュリン)の分泌を促進します。
インスリンは、血液中の糖分が増えると分泌されます。インスリンは、血糖がエネルギーとして消費されたり、身体に蓄えたり、細胞の増殖を促したりします。インスリンは、血糖を有用に消費して、血液中の糖分の量を一定に保ちます。インスリンの分泌が低下すると、血糖が消費されず、血糖値が高くなります。
オステオカルシンは膵臓を活性化するので、血糖値がコントロールされます。
- 認知機能が上がる
骨ホルモンは、脳を活性化するので、知覚・理解・判断などの認知機能が高くなります。
- 血液がきれいになる
骨ホルモンは、肝臓や腎臓を活性化させ、肝機能・腎機能を高めます。肝臓には解毒作用があります。腎臓には、老廃物を尿とともに排出する働きがあります。
肝機能・腎機能が高まると、血液がきれいになります。
- 動脈硬化を防ぐ
動脈硬化を防ぎ、心疾患を予防し、心臓を活性化します。
- 腸を活性化する
腸が活性化するので、栄養分の吸収が良くなります。骨の成分は腸から吸収されます。
- 男性ホルモンの分泌を促す
男性ホルモンの分泌が増え、生殖能力が高まります。
- 美肌になる
皮膚のコラーゲンを増殖させ、肌をきれいにします。
骨ホルモンの分泌を促す方法
骨ホルモンは、膵臓や脳など、いろいろな臓器を活性化する働きがあります。
骨ホルモンの分泌量を増やすことは簡単です。「かかと落とし」です。
[かかと落としの方法]
- 真っすぐに立ち、できるだけかかとを上げます。
- かかとを勢いよく、しっかり下に落とします。
- 1日30回行います。1度に30回行わず、空いた時間に分けて行っても大丈夫です。
かかと落としをすると、足に体重の2~3倍の力がかかります。この機械的な刺激(ストレス)が骨細胞を活性化して、骨ホルモンの分泌を促進します。
骨細胞は、神経細胞のように突起によって細胞がつながり、情報伝達を行います。骨の1部に刺激を与えると、全身の骨細胞が活性化されます。
[かかと落としは骨密度を上げる]
骨ホルモンの分泌量と骨密度は、直接関係はありません。しかし、「かかと落とし」をすると、骨を刺激して骨密度が上がります。
女性は、女性ホルモンの減少とともに、骨密度が低下して骨粗鬆症になりやすくなります。「かかと落とし」をすることをオススメします。
[骨ホルモンのサプリメント]
九州大学では、骨ホルモンのサプリメントを研究・開発中です。骨の成分は腸から吸収されるので、サプリメントが可能だそうです。
まとめ 骨が元気になると、副次効果が大きい
骨は、身体を支え、臓器を護り、血液を産生します。その上、骨ホルモンが多くの臓器を活性化して、身体の諸機能を高めます。
骨が元気になると、身体全体が元気になるのですね。
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