【帰りたい】認知症の多いグループホームでの出来事。いつも玄関に行くMさんが突然・・・
私は、グループホームの職員として働いていたことがあります。
グループホームに入所している利用者さんは、ほとんどの方が認知症です。
私がグループホームで働いていたときに、印象に残っている利用者さん(Mさん)が入所していました。
不安にさせない。そのために「否定」をしない。
Mさんは、ご飯を食べているときやレクリエーション中に1人で玄関へ歩いていくことが多い方です。なぜ玄関へいくかというと、自宅へ帰りたいからです。
玄関の前で立っているMさんに、「どうしたの?」と聞くと、「この玄関開けてちょうだい。」と言います。
Mさんの家族の方も、Mさんが玄関へ行く行動を理解しています。
私が、「娘さんが迎えに来るまで待っていようね。」と言うと、「はーい。」と言ってすんなりホームへ戻られます。
このときに大事だと思うのは、利用者さんの行動や発言を否定しないことです。
もし、職員が「ダメでしょ!」と利用者さんに対して怒ったりすると、利用者さんはもっと不安な気持ちになってしまう可能性があります。
何を不安に感じているのか?ただ見守るだけでなく心に触れてみる
利用者さんは、不安な気持ちになったり何かを訴えたいから自ら行動を起こしますが、ただ見守るだけでは意味がありません。
介護職員は認知症の利用者さんの混乱に惑わされず、冷静に判断することが大切です。本人の不安に焦点を当てたケアが必要だと思います。
そこで私は、Mさんの好きな家族の写真を見せると良いのではないかと考えました。
Mさんの寝室に、家族と一緒に写っている写真が飾られています。
寝室に飾っているということは、その写真をとても大切にしているものであると気付きました。
玄関の前に立っているMさんの表情は険しい表情ですが、Mさんに家族の写真を見せると、Mさんは笑顔になります。
ただ見せるのではなく、「みなさん元気にしてるかな?」と私が一言言うと「きっと元気だよ!」と笑顔で答えてくれました。コミニュケーションをとることもできます。
不安を取り除き、笑顔の輪を広げよう
Mさんのご家族の方に、写真を見せるとMさんが笑顔になることを伝えると、ご家族の方はとても喜んでいました。
ご家族の方が喜んでいるのを見て、私自身も嬉しくなりました。
介護職員として働いていて良かったと思いました。
Mさんが玄関の前へ行ったら、ご家族の写真を見せることを繰り返していたら、Mさんの行動に変化がおきました。
その後、Mさんが玄関へいく回数が減ったのです。
利用者さん本人が、安心できるようなかたちで寄り添うことが本人の安心につながっていくと思いました。
スポンサードリンク
こちらの記事も一緒に読まれています
関連記事
-
【18歳】子宮頸癌で2度の円錐切除をした体験談と今だから言えること
最初に子宮頚ガンに気づいたのは、18歳のときでした。 年齢的に若いのと、いつからなっていたかもわか
-
【切迫早産】入院が出産近くまでずっと続いていた私のケースをお話しします
結婚して子供を二人授かりました。 自分自身はそれまで病気などなく、健康に暮らしていました。
-
【介護の闇】祖母を孫の私が介護している素直な感想
祖母(86歳)の介護を孫である私がしています。 デイサービスとショートステイを利用しています。
-
【涙腺崩壊】大学受験を控えた高校生が祖父の介護をしていた話
30年前、高校生の時に祖母と母と一緒に祖父の介護をしました。 私が高校3年の春、一駅向こうに住
-
【冷え性からの凍傷】手首から先がずる剥け、ケロイド状に・・・!
低体温、冷え症で幼少の頃より毎年霜焼けが出来ます。 3年前の12月も霜焼けが手の指にぽつぽつ出
-
【終わりが見えない】38歳からの不妊治療は考えが甘かったです。
ケガや病気とは少し違いますが、病院に通院しています。不妊治療です。 私たち夫婦は結婚が少し遅く、主
-
足首をひねっただけで靭帯損傷?ギプス生活の辛さがとんでもない
わたしは20歳の頃に靴をちゃんと履かずに足をひねり、そのまま足首の靭帯の損傷をしてしまいました。
-
「私は赤ちゃんじゃない」認知症の義母と一緒に暮らす苦労
私は88歳で認知症の義母と5年一緒に暮らしています。 他の家族は夫と私だけです。夫は離婚してから1
-
「もうこりごり」アキレス腱断裂の手術は予後がすごく大変だった!
一昨年の5月のことです。 誕生日の前日、バレー大会に参加しているときのこと。 2ゲーム目に入った
-
急にお腹がポッコリしたなと思ったら・・・子宮筋腫で開腹手術
10年前より子宮筋腫があり、先日子宮全摘の開腹手術をしました。 初めて子宮筋腫が見つかった時はまだ